倉重 光則 Mitsunori Kurashige

1968年のある日…。
絵を描くために敷き詰めていた新聞紙の上に、天井の蛍光灯を置いてみたところ、蛍光灯のへりにある新聞紙の文字が明るすぎて消えていた。
ものが見えるようにするための光がものを読めなく消している。光は新聞に書かれた文字とその意味さえも消していた。
その体験は私に強烈な快感を与えてくれた。
蛍光灯の光はものを見せるための機能と同時にものを消すという作用をもっている。その事実を発見した。
消滅する現実、それは蛍光灯の光によって与えられた現実である。
作品を作るということは自己内部(主体)としてのイメージを再現することではない。むしろ、体験して与えられた現実と事実から出発する。そこから生まれ、生産される意味は「いま、ここ」という同時空間の中で現れる。
作品を作るということは自動的に意味を生み出す装置と状況を設定することである。
この時間的な持続の中で作家としての主体を他者として存在させることが重要である。

  • 福岡県久留米市生まれ 神奈川県三浦市在住
  • 個展
  • 2013 「Depth of Blue」EISFABRIK Blaue Halle ハノーファー市企画(ハノーファー、ドイツ)
  • 2012 「明滅するスクエアー」Hebel_ 121(バーゼル、スイス)
  • 2005 「青い欲動-Depth of Blue」LA アートコア・センター(ロサンゼルス)
  • 2003 「倉重光則展—青い欲動」伊丹市立美術館(兵庫)
  • 2003 「第10回神奈川国際芸術祭フェスティバル フォーカス2003『青い浸蝕 倉重光則展』
    神奈川県民ホールギャラリー
  • グループ展
  • 2013 「Winter Group Show」Satoshi Koyama Gallery(東京)
  •    「北京遭遇ーBump into Beijing」Steps Gallery(東京)
  •    「引込線」旧所沢第2学校給食センター(埼玉)
  • 2012 「言葉と物ーles mots et les choses」Gusto House(神戸)
  • 2011 「DARK LIGHT」Kunst und Begegnung, Hermannshof e.V.(ドイツ)
  • 2008 「赤坂アートフラワー08」赤坂(東京)
  • 2005 「世界の呼吸法--アートの呼吸・呼吸のアート」川村記念美術館(千葉)
  • 2003 「九州力──世界美術としての九州」熊本現代美術館(熊本)
  • 1994 「矩形の森──思考するグリッド」埼玉県立近代美術館(浦和)
  • > 作家ホームページ